滋賀大学長
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滋賀大学データサイエンスの10年にあたって
滋賀大学は2017年4月に日本初のデータサイエンス学部を開設しました。また、学部設立の準備のために、その1年前の2016年4月にデータサイエンス教育研究センターを開設しましたので、今年(2026年)はセンター開設から10年となります。滋賀大学がデータサイエンス学部を開設した頃は、まだデータサイエンスという言葉の認知度も低く、データサイエンス学部の教育内容に関する理解も不十分な状況でした。データサイエンスに関する理解には、企業などの出口側からのものもありますが、高校生や高校教師などの入口側からのものもあります。入口側からの典型的な質問として、データサイエンスは理系なのか文系なのか、というものがありました。この質問に対する我々の回答は、データサイエンスの技術的な基礎は統計学や情報学などの理系的なものだが、その応用はビジネスや社会課題の解決などの「価値創造」にあり、文系的な視点も重要であり、データサイエンスは文理融合的なものである、というものでした。
その後、毎年のように多くの大学でデータサイエンス系の学部・学科が開設されるようになり、現在では40校ほどの大学に学部・学科があります。これらの入学定員を合計すれば2,000名以上となり、分野としてすっかり定着してきました。このような発展の理由としては、データサイエンス分野で日本が世界に遅れており、日本社会がデータサイエンティストを必要としていたことが挙げられます。しかしながら、そのような社会からの需要を顕在化させ、実践的な教育によってこの分野を拓いてきたのは滋賀大学であると思います。今でもデータサイエンスと言えば滋賀大学と評価していただくことが多いです。
社会からの需要の顕在化という点では、滋賀大学はデータサイエンス学部開設当初から産学連携を重視し、企業や社会から求められる人材を輩出してきました。また、2019年に大学院データサイエンス研究科を設置しましたが、大学院は社会人のリスキリングを主なターゲットとして設計しました。また、企業との共同研究においても、企業内の人材育成を重視しています。産学連携を加速するために、2022年4月にはデータサイエンス教育研究センターを「データサイエンス・AIイノベーション研究推進センター」に改組しました。客員教員を含めると、現在ではセンターに100名を超える教員が所属し、日本の大学で最大規模のデータサイエンス・AIの教育研究拠点となっています。
以上のように滋賀大学のデータサイエンスは大きく成長してきましたが、今後もトップランナーであり続けるための改革を進めています。特に、近年発展が著しいAI技術を積極的に取り入れ、AIの先端的な教育研究を推進しています。このことを、滋賀大学は「AIネイティブ大学」であると表現しています。
滋賀大学は今後ともデータサイエンス・AI分野の教育研究を通じて日本社会の発展に貢献していきます。関係者の皆様からの温かいご支援を賜りますようお願い申し上げます。

